コミケのない年、結婚して転職して引っ越し
お題「#この1年の変化 」
2020年は生活上の大きな変化が重なった年だった。生活しかすることがないが、生活にすることがあったので、ぐずぐずしつつも生き延びてきた。
結婚した
3月に結婚した。姓は私が変えた。自分がどう呼ばれようととくに気にならないが、身分証明書に旧姓を併記するために戸籍謄本が必要で戸籍謄本を取得するためには本籍地の……と調べているときに夫がゴンブリッチという美術史家の話をしてきたときには私もゴンブリッチの話のほうがしたいと思った。
式や披露宴などもともとするつもりがなく、社会情勢的にどれもするつもりがないと表明することもなくなった。結婚指輪は秋頃に買った。当初かなり抵抗感があったが、自分で選んだかわいい指輪がつねに指にあるのは単純に気分がいい。社会的な意味合いが薄れたらもっといいのだが。
婚姻届を出してその足で行ったタテルヨシノは11月に閉店してしまった。
転職した
数日だけ有給消化して前職を退社し、新職場は4月1日が初出社。まもなく緊急事態宣言が出て、1Kの部屋でデスクとちゃぶ台を交代で使用しながら在宅勤務することになった。
このころ文字ばかりの本は読めなかった。Switchを買うために1か月くらい毎日Amazonに張り付き、満を持してポケモンとリングフィットアドベンチャーを始めた。動物のお医者さんが無料公開されていたのを機に、これまで読んだことのない名作漫画を読もうと、ハンターハンターやカイジやアカギや鬼滅の刃や約束のネバーランドやゴールデンカムイや進撃の巨人を読んだ。ぴよ将棋というアプリで将棋も始めた。
転職先は伝統的に労働組合が強いらしく、労働条件的にかなり恵まれている。そして出社してもオフィスで誰も怒鳴っていない。
引っ越しした
この世で私のもっとも好きなことの一つが物件探しであり、もっとも苦手なことの一つが引っ越しの準備である。SUUMOをひたすら眺める日々のあと、建設中で内見もできないマンションの最後の一部屋に決めた。建設中だから時間的には普通の物件への引っ越しより余裕があったがそれでも準備はつらかった。バリューブックスとサマリーポケットがなければ引っ越しできなかっただろう。
それまで住んでいた横浜から、東京の東側いわゆる下町へ。小さなお店が多く、寺や公園もあり、近所を歩いているだけで気が紛れる。大きめのスーパーがすぐそばにあるのもうれしい。いままで最寄りのスーパーがまいばすけっとであったことがどれほど心を苦しめていたかを思い知った。
引っ越しに合わせて食洗機を買った。在宅勤務時代の必需品。
自転車を買った
引っ越してから秋冬になるにつれ自転車が欲しくなった。クロスバイク入門的なものを買うことも頭をよぎったが、どれくらい長く乗るかもわからないのでとりあえず安いものをと、あさひのミニベロ、クリームミニ(楽天で買って店舗で受け取る)にした。
自転車を持つのは4年半ぶり。前に乗っていた自転車はドンキで買った適当なママチャリで、横浜へ引っ越すときに捨てるつもりだったが、退去立ち会いに来た管理会社のおじさんが欲しいと言ったのでそのままあげた。あとから新居に菓子折りが届いた。
自転車に乗るたびに地下鉄に規定されていた想像力が解放され、東京が更新される思いがする。日本橋や丸の内、銀座も近所と思えるようになった。最高。